国際バルク戦略港湾の目的
大型船舶による一括大量輸送により、石炭の安定的かつ安価な供給を可能とすることで、我が国産業の国際競争力を強化します。
徳山下松港は宇部港とともに国から「国際バルク戦略港湾(石炭)」に選定され、ケープサイズ級船舶などの大型船舶の入港が可能となるよう、港湾施設の機能強化を図るとともに、民の視点を取り込んだ効率的な運営体制の確立や湾間や企業間の連携促進などにより物流の効率化を進め、石炭を安定的かつ安価に供給することで我が国産業の国際競争力の強化を目指すこととされています。
徳山下松港の強み
石炭供給に関して多様な選択肢を持った港です。
- ケープサイズやパナマックスなどの大型船舶の入港が可能な係留施設を有し、大型船による石炭の一括大量輸送が可能です。(現在、一部施設整備中)
- 複数のコールセンターが立地しており、石炭の保管や需要地までの二次輸送などに適切な対応が可能です。
- 港の背後に石炭の需要地を有しており、複数企業による石炭の共同輸送(※1)を行うことで、単独輸送に比べて石炭の輸送コストの削減が見込めます。(小ロットの石炭ユーザーにおかれましても、石炭運搬船の共同配船により、大型船舶を利用した輸送コスト削減の可能性があります。)
- 商社、ユーザー、倉庫業など、石炭に関わる多彩な企業ネットワークを有し、多様なニーズに対応できる体制が確保されています。
- 企業ネットワークの活用により災害時の石炭サプライチェーンの継続に寄与します。
用語解説
- <パナマックス>
- パナマ運河を通航できる最大船型です。
- <ケープサイズ>
- パナマ運河を通航できず喜望峰周りとなる大型バラ積み船です。
- <二港揚げ>
- 1港目(拠点港)で石炭の一部を荷揚げしたのち、喫水(水面から船体最下部までの距離)を小さくした大型船を2港目に着け、残りの石炭を荷揚げするものです。大型船による大量輸送が可能となり、大幅な輸送費削減を実現できます。
- <コールセンター>
- 海外から輸入された石炭を貯蔵し、国内石炭ユーザーに安定供給するための輸入中継基地。
徳山下松港で進められている取組
西日本の石炭輸送の広域拠点港としてふさわしい港湾機能の強化に向けて、ハード・ソフトの両面から官民を挙げた取組が進められています。
<ハード整備>
- ケープサイズ級船舶やパナマックス級船舶の入港を可能とする公共桟橋や岸壁の延伸などの整備
- 高能率の荷さばき施設(アンローダー、ベルトコンベアなど)の整備
<ソフト対策>
- 港湾運営会社(やまぐち港湾運営株式会社)を設立し、民の視点を取り込んだ効率的な運営体制の確立
- 港湾運営会社を核とした企業間連携による石炭共同輸送の促進
2011年 | 徳山下松港・宇部港の二港が「国際バルク戦略港湾」に選定。 |
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2015年 | ケープサイズ級船舶の満載での入港が可能となる大水深の桟橋等をはじめ、二港揚げなどの共同配船に対応した港湾施設の整備事業である「徳山下松港国際物流ターミナル整備事業」が新規事業採択され、翌2016年に現地着工。 |
2017年 | 港湾管理者に代わって徳山下松港の3つの公共ふ頭を運営する港湾運営会社として当社が設立・指定。 |
2018年 | 西日本の石炭輸送の広域拠点港として、国が徳山下松港を「特定貨物輸入拠点港湾(石炭)」に指定。 |